運動能力と体調管理に役立つ!フィックの式からわかる心拍数と動静脈酸素較差の重要性

医療・健康

投稿日:2024年02月25日

要約
心肺機能は運動能力や健康維持に重要であり、フィックの式は酸素摂取量を理解する鍵となります。心拍出量と動静脈酸素較差を高めることで心肺機能を強化し、運動効果を最大限に引き出します。

目次

フィックの式で紐解く!酸素摂取量と心肺機能の関係 酸素摂取量は、運動能力や体調管理、メディカル分野において重要な指標です。この指標を理解する鍵となるのが、フィックの式です。

心肺機能の重要性と運動による強化

心臓と肺は、酸素を全身に送り、老廃物を回収する重要な役割を担っています。
この機能は心肺機能と呼ばれ、運動能力や健康状態に大きく影響します。
運動習慣は心肺機能を強化し、持久力や筋力向上、疲労回復促進など、様々なメリットをもたらします。

酸素摂取量と心拍出量の密接な関係

運動中に取り込まれる酸素量「酸素摂取量」は、心拍出量と動静脈酸素較差によって決まります。
心拍出量は、心臓が1分間に送り出す血液量であり、心拍数と一回拍出量の積で計算されます。

フィックの式:酸素摂取量を決定する3つの要素

フィックの式は、酸素摂取量(VO2)、心拍出量(Q)、動静脈酸素較差(a-VO2 diff)の関係を表す以下の式です。

VO2 = Q × (a-VO2 diff)

  • 酸素摂取量: 1分間に取り込まれる酸素量
  • 心拍出量: 1分間に心臓から送り出される血液量
  • 動静脈酸素較差: 動脈血と静脈血の酸素濃度差

心拍出量

心拍出量は、心臓が1分間に送り出す血液量です。以下の式で表されます。

心拍出量(Q) = 一回拍出量(SV) × 心拍数(HR)

心拍数は、1分間の心臓の拍動数です。運動強度や体力レベルによって変化し、最大心拍数は年齢によって推定できます。
心拍出量(Q)の平均が4から5.7ml/分とされています

一回拍出量

一回拍出量(SV)は、心臓が1回の収縮で送り出す血液量で、拡張終期容量(EDV)と収縮終期容量(ESV)の差で計算されます。

一回拍出量(SV) = 拡張終期容量(EDV) - 収縮終期容量(ESV)

  • 拡張終期容量は心臓が拡張した時に最大限に血液で満たされる量です。
  • 収縮終期容量は心臓が収縮した時に残る血液量です。アスリートはトレーニングによって拡張終期容量を増加させ、一回拍出量を向上させています。

一回拍出量(SV)は平均で65~70ml、トップアスリートたちはトレーニングによって1回拍出量が140ml~180mlまで増加します。

動静脈酸素較差

動静脈酸素較差(a-VO2 diff) = 動脈血酸素濃度 - 静脈血酸素濃度

動静脈酸素較差は、動脈血中の酸素濃度と静脈血中の酸素濃度の差です。この差が大きければ大きいほど、酸素利用効率が高く、運動能力も高くなります。
動脈血酸素濃度はほぼ一定であるため、動静脈酸素較差は静脈血酸素濃度によって決まります。

心臓から送り出される動脈の1dl中に約20mlの酸素が含まれていて、心臓に戻ってくる静脈の1dl中に酸素がどれだけあるか
減った量の酸素を筋肉が取り込んでいることになります

動脈 静脈
安静時 20 16
中程度運動 20 10
強度運動 20 4

フィックの式から導き出せること

つまり、フィックの式は、心拍出量と動静脈酸素較差の2つの要素が酸素摂取量にどのように影響するかを示しています。

  • 酸素摂取量を増やすためには、心拍出量と動静脈酸素較差を増加させる必要がある
  • 心拍出量を増やすためには、一回拍出量と心拍数を増加させる必要がある
  • 一回拍出量を増やすためには、拡張終期容量を増やし、収縮終期容量を減らす必要がある
  • 動静脈酸素較差を増やすためには、筋肉の酸素利用量を増やす必要がある

フィックの式と心肺機能

心肺機能は、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する機能です。心肺機能が低下すると、酸素摂取量が減少し、運動能力や体調管理に悪影響を及ぼします。

フィックの式から、心肺機能を高めるためには、以下のことが重要であることがわかります。

  • 心臓の機能を高める
  • 血液の循環を改善する
  • 筋肉の酸素利用能力を高める

運動と心肺機能

運動は、心肺機能を高める効果的な方法です。運動によって、以下の変化が起こります。

  • 心拍数: 増加
  • 一回拍出量: 増加
  • 動静脈酸素較差: 増加

これらの変化により、

  • 心拍出量と動静脈酸素較差を増加させる
  • 心筋の収縮力を強化する
  • 肺活量を増大させる
  • 血液の循環を改善する
  • 筋肉の酸素利用能力を高める

酸素摂取量が増加し、運動に必要なエネルギーを効率的に供給することができます。

心肺機能の向上:アスリートと一般人のトレーニング方法

アスリート:高強度インターバルトレーニング

アスリートは、心肺機能を高めるために高強度インターバルトレーニング(HIIT)などを行い、一回拍出量と動静脈酸素較差を向上させています。

一般人:有酸素運動と筋力トレーニング

一般人は、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、心肺機能と筋力バランスを向上させることができます。ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがおすすめです。

フィックの式と健康管理:運動能力と体調の密接な関係

フィックの式は、運動能力だけでなく、体調管理にも役立ちます。心拍数や動静脈酸素較差を測定することで、体調の変化を把握し、適切な運動量を調整できます。

運動するというのは体調管理や身体能力向上の管理、
スポーツや日常生活においてのパフォーマンスの改善
さらにはメディカル分野として生命徴候(バイタルサイン)である体温、脈、呼吸数、基礎代謝の改善につながります

まとめ:心肺機能を高めて、パフォーマンス向上と健康維持を実現

心肺機能は、運動能力だけでなく、健康維持にも重要な役割を果たします。フィックの式を理解し、心拍数や動静脈酸素較差を意識することで、運動効果を最大限に引き出し、健康的な生活を実現しましょう。

筋肉を動かすというのはただ運動やダイエットをする時だけでなく、生命を維持する心臓の拍動や臓器の動きなども各々筋肉が動いています
筋肉を動かすのに必要なエネルギー「ATP(アデノシン3リン酸)」を産生する過程が大きくわけて3つあるのですが、そのなかでも酸化系というシステムに酸素が必要です

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ひがしむら整体院

東村哲男

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