湿度管理は相対湿度[%]ではなく絶対湿度[g/m³]!冬の乾燥対策に
目次
乾燥による健康リスク
乾燥が進むと、ウイルスの活性化と粘膜免疫機能の低下により、風邪やインフルエンザの感染リスクが高くなります。適切な湿度管理は、健康維持と快適な生活環境を保つために重要です。
湿度の理解
相対湿度と絶対湿度飽と飽和水蒸気量とを理解することが大切です。
湿度とは
湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の量を表す数値です。水蒸気の含有量が多いほど湿度が高くなります。湿度は、相対湿度と絶対湿度の2つの指標で表されます。
相対湿度 [%]
相対湿度は、空気中の水蒸気量が、その温度で空気が含むことができる水蒸気量の何%であるかを示します。例えば、18℃の空気で相対湿度が50%の場合、1立方メートルの空気には、飽和水蒸気量の半分の水蒸気量が含まれています。
絶対湿度 [g/m³]
絶対湿度は、1立方メートルあたりに何gの水蒸気量があるかを示す容積絶対湿度です。例えば、18℃の空気で絶対湿度が10g/m³の場合、1立方メートルの空気には、10gの水蒸気量が含まれています。
飽和水蒸気量 [g/m³]
飽和水蒸気量とは、1立方メートルの空気が持つことができる最大の水蒸気量のことです。この飽和水蒸気量は気温が上がると増え、気温が下がれば減ります。
気温に依存する相対湿度
湿度計でよく見る%表記の相対湿度は、飽和水蒸気量のうちどのくらいの水分量があるかを示していますが、その飽和水蒸気量は気温によって変わります。同じ相対湿度50%であっても、気温が異なれば空気中の水蒸気量は変わってきます。
そのため、湿度管理は絶対湿度による方法がおすすめです。最近の温湿度計には「乾燥指数」による乾燥注意をお知らせするものもあり、この乾燥指数は絶対湿度に基づいています。
気温によっては湿度50%でも乾燥している、という状況にもなります。
絶対湿度で示す水蒸気量は気温によって変化しないため、 湿度管理は絶対湿度による方法がおすすめです。
最近は温湿度計に「乾燥指数」による乾燥注意をお知らせするものもありますが、この乾燥指数は絶対湿度に基づいています。
絶対湿度の目安
絶対湿度の目安は11g/m³とされています。これは11g/m³を下回るとインフルエンザの生存率が上がるからです。厚生労働省によると、風邪やインフルエンザの予防には、室内の湿度を10〜11g/m³に保つことが推奨されています。
体質にもよりますが、8g/m³を下回ると肌の乾燥や免疫機構の低下、5g/m³以下では、空気中に飛散したインフルエンザウイルスの6時間後の生存率が50%といわれており、インフルエンザの流行の目安とされています。
加湿のしすぎに注意
乾燥対策としての加湿ですが、過加湿になると以下のような弊害が生じる可能性があります。
- カビやダニの繁殖
- 結露の発生
過加湿になると、カビやダニが繁殖しやすくなります。カビやダニは、アレルギーや呼吸器系の疾患の原因となる可能性があります。また、窓や壁などに結露が発生しやすくなり、結露はカビやダニの繁殖を促進するだけでなく、建物の劣化にもつながります。
まとめ
- ウイルスの活性化と免疫機能の低下を防ぐため、適切な湿度管理が重要です。
- 湿度管理には、加湿器に表示される湿度ではなく、適所にある湿度計を使用します。
- 相対湿度ではなく、絶対湿度を指標にします。
- 絶対湿度の目安は11g/m³です。
- 結露が起こる場合は8〜11g/m³位で調整します。
部屋の広さ、加湿器の種類、気密性能、窓の断熱性能、加湿器の設置場所など、状況によって最適な答えは変わります。やり方はそれぞれ異なりますが、適切な湿度管理を心がけることが大切です。
健康で快適な生活のために、湿度管理に気を付けましょう。
- #湿度
- #絶対湿度
- #インフルエンザ対策
- #結露対策
- #飽和水蒸気量
- #物理