10月からの景品表示法の違反に対する直罰 | 景品表示法を改めて確認

お金・FP

投稿日:2024年03月16日

要約
2024年10月から景品表示法に基づく違法な誇大広告や虚偽表示に対する直罰規定が強化されます。 消費者保護の観点から、誇大広告や虚偽表示に対する直罰規定が強化され、企業や店舗はこれまで以上に慎重な広告表現が求められます。 SNSや広告等で優良誤認や不当表示、ステルスマーケティングに気を付けるべきことを記載してみました。

目次

2024年10月から、景品表示法に基づく違法な誇大広告や虚偽表示に対する直罰規定が強化されます。

これにより、消費者庁や都道府県の行政機関が違反を確認した場合、行政処分や指導を待たずに、直ちに罰則を科すことができるようになります。

これは消費者保護を強化し、消費者が誤解するような広告や表示を抑制することを目的としています。

具体的には、誇大な景品表示や誤解を招くような商品の宣伝に対して、企業はより厳格な基準で対応する必要があります。違反が認められた場合、企業や関係者は直ちに罰金や業務停止命令などの処分を受ける可能性が高まります。

企業は広告や商品表示の内容をより慎重に検討し、誤解を招く恐れがある表現を避けるための対策を強化する必要があります。


今回の景品表示法の改正による直罰規定強化は、特に以下の業界・業種に対して問題視されています。

  • 健康食品・サプリメント業界 健康食品やサプリメントに関しては、効能や効果に関する誇大広告が問題となりがちです。科学的根拠のない健康効果を謳ったり、消費者を誤解させるような表示が行われるケースが多いため、取り締まりが強化されています。
  • 美容業界 美容製品やサービスに関する広告でも、特に「効果絶大」や「短期間で劇的な変化がある」などの誇張表現が問題とされます。消費者が過剰な期待を抱くような表現は、改正後の直罰の対象となる可能性が高いです。
  • 不動産業界 不動産の販売や賃貸において、「絶対に値上がりする」や「完全に安心・安全」といった過度な安心感を与える表現が問題視されています。特に、新築物件や投資物件に関する広告が監視対象となっています。
  • 金融業界 投資商品や保険商品に関して、リスクを軽視させるような誇大広告が問題となっています。「元本保証」や「リスクゼロ」などの誤解を招く表現は、直罰の対象として厳しく取り締まられるでしょう。
  • オンラインショッピング・EC業界 インターネットを通じた販売において、「限定」「最安値」「期間限定」などの表示が誤解を招く場合が多々あります。これらの広告に対しても、より厳格な基準が求められることになります。

これらの業界では、消費者に対して誤った情報を提供しないよう、広告や表示内容の見直しが急務とされています。違反が発覚した場合、直罰が即座に科されるリスクが高いため、コンプライアンス強化が求められます。

整体業界のよくある違反例

効果を誇張した広告

  • 例: 「この施術で100%腰痛が治る」「短期間で必ず痩せる」「一度の施術で肩こりが完全に解消」など、効果を保証するような表現。
  • 問題: 科学的根拠のない効果の誇張や、あたかも効果が保証されるかのような表現は、誤解を招く恐れがあり、景品表示法違反となります。

無根拠な健康効果の謳い文句

  • 例: 「この手技で必ず肩こりが治る」「骨盤矯正で全ての腰痛が解消する」といった、根拠のない効果を断言する表現。
  • 問題: 消費者に誤解を与える可能性があり、虚偽表示として景品表示法に抵触する可能性が高いです。

過度な施術前後のビフォーアフター画像

  • 例: 「たった一度の施術で劇的に改善」といったビフォーアフターの写真を使った広告。
  • 問題: 写真が誤解を招く可能性があり、過剰な期待を与えることから、表示内容に虚偽や誇張があると判断される可能性があります。

適用範囲を超えた適応症の広告

  • 例: 「この施術で全ての病気が治る」といった、治療対象として認められていない症状や疾患に対する効果を謳う表現。
  • 問題: 法的に認められていない適応症を謳うことは、消費者に誤解を与えるだけでなく、法的リスクが伴います。

曖昧な表現

  • 例: 「最も効果的な施術」「完全無痛」「必ずリラックスできる」など、効果や感覚について曖昧で主観的な表現。
  • 問題: 消費者が具体的な内容を理解しにくく、過剰な期待を抱かせる恐れがあるため、誤解を招きやすいです。

根拠のない専門家の推薦や口コミ

  • 例: 「医師も推薦する施術」「有名人が愛用する」「多数の顧客が満足」といった具体的な根拠のない推薦や口コミの利用。
  • 問題: 実際のデータや証拠がない場合、虚偽や誤解を招く可能性があり、景品表示法違反となります。

改善方法

効果や効能に関する表現の慎重な使用

  • 具体的かつ現実的な表現: 効果を謳う場合は、「症状の緩和が期待できる」や「個人差がある」など、具体的かつ誤解を招かない表現を使用する。
  • 根拠の明示: 効果を示す場合は、科学的根拠や臨床試験データなど、効果を裏付ける証拠を提示する。

適応症と施術の範囲に関する明確化

  • 施術の範囲の明確化: 広告での表現は、法的に認められた適応症に限定し、「全ての症状に効果がある」といった誇張した表現を避ける。
  • 説明文の追加: 「この施術は全ての病気に効果があるわけではありません」など、誤解を防ぐための注釈を追加する。

ビフォーアフター画像の使用に関するガイドライン

  • 適正な画像使用: ビフォーアフター画像を使用する際は、施術の経過や使用した技術、施術回数、施術期間などを明確に記載し、誤解を招かないようにする。
  • 事実に基づいた使用: 実際の患者から得た許可を取った上で、事実に基づいたビフォーアフター画像のみを使用する。

科学的根拠の明示

  • 効果を謳う場合は、必ずその効果を裏付ける科学的な根拠を提示するか、曖昧な表現を避け、「効果が期待できる」といった控えめな表現を使用します。また、個々の結果が異なることを明示することも重要です。

顧客の声や専門家の推薦の適正使用

  • 具体的な事例の紹介: 推薦や顧客の声を使う場合は、実際の体験談を元にし、事実に基づいた内容のみを掲載する。
  • 推薦文の裏付け: 専門家や医師の推薦文を使用する際には、推薦の根拠やどの部分を推奨しているかを明示する。

価格表示の透明性の確保

  • 正確な価格表示: 割引やキャンペーンを行う際には、実際に適用される価格を正確に表示し、期間限定の価格である場合は、その期間を明確に記載する。
  • 根拠のある割引: 割引を行う際は、割引の理由や根拠を明示し、「通常価格より安い」といった表現が誤解を招かないように注意する。

まとめ

景品表示法の、誇大な広告や虚偽表示に対する直罰規定の強化は、重大なリスクを伴います。以下のポイントを押さえて、法令遵守を徹底し、消費者に信頼される広告を展開することが重要です。

  • 効果や効能の表現は慎重に: 科学的根拠に基づいた表現を使用し、誇張を避ける。
  • 適応症の明確化: 法的に認められた適応症に基づいた広告を行う。
  • ビフォーアフター画像の適正使用: 誤解を招かないよう、使用条件を明示する。
  • 顧客の声や専門家の推薦の適正使用: 事実に基づいた内容のみを掲載する。
  • 透明性のある価格表示: 割引やキャンペーンの詳細を明確に伝える。

これらの対策を講じることで、整体業界は消費者の信頼を得るだけでなく、法的リスクを回避することができるでしょう。今後の業界の健全な発展のために、積極的な取り組みが求められています。

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ひがしむら整体院

東村哲男

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